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サヨナラダケガ人生...カ? [くらしの中で]





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 わたしの出た大学は、日本全国から学生の集まる学校だった...今でも。

 彼らの多くは東京で職を得たが、卒業後、出身地に戻った知人・友人もまた多い。

 数は少なくなったけれど、今に至るまで付き合いが続く友人も、日本各地に散在するのである。




 そのうち、昵懇にしていた友人が、先日急逝した。

 事情は不明だけれど、長い友人として見送ってやりたいと思う。

 彼の住むところは福井県大野市で、福井市から東に1時間ほどの土地である。

 こちらから行くとしたら、新幹線で金沢まで行き、そこから特急で、と算段した。




 そんな折、岐阜県高山市の友人が、昨年末逝去していたことを知らされた。

 そうだったか...ならば、彼のもとにも行って線香を立ててやりたい。

 福井と高山、鉄道だと大変だけれど、車を使えば、行けないところではない。

 そこで、車に乗って出かけることになった。



 




 高山までは、中央自動車道、上信越自動車道松本インター経由、平湯峠を経て5時間の道のりである。

 時節柄、雨の中、山道を運転するのはしんどいけれど、きれいな景色は目の癒しだ。

 つつがなく高山市に至り、友人のところにお参りして、さて、と考えた。




 高山市は有名な観光地で、友人の奥さんもぜひ見ていってください、と仰る。

 そこで、「さんまち」と名付けられた街並みを見るけれど、どうもこういうときは気分が乗らないものだな。






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 歩き疲れて、そろそろひと休み、と思ったら、目の前に瀟洒な喫茶店が現れた。

 ちょうどいい、ここに入ろう。






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 「バグパイプ」という名前の店なのだけれど、その名前にどうも記憶がある。

 故人からの情報だったか...と思ったのだが、息子からのものだったと気づいた。

 彼に聞いてみると、なにやらアニメ映画の中で出てきた店らしく、ファンには有名なのだとか。




 この店では、ウィンナーコーヒーを頼むのがファンのしきたりだそうだ。

 そこでわたしもウィンナーコーヒーを注文してみた。

 甘くしてあるホイップクリームが苦めのコーヒーによく合って美味しい。






      ◇   ◇   ◇






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 高山市から大野市までは、約3時間の道のりだった。

 高速道路と国道158号線を使い、山の中を走るのだが、途中からは九頭竜川に沿っての道だ。

 夕方遅く大野市に着き、通夜そして翌日の出棺までを見送って...。

 さて、これから東京に戻ろうと思う。






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 その前に腹ごしらえをしよう。

 大野市は盆地で周囲は深い山、そのせいか水の美味しい土地として有名である。

 そういうところでは蕎麦もまた美味しいだろう、と考えた。




 大野市のある越前は蕎麦どころで、名物に「おろし蕎麦」なる逸品がある。

 旧市内の蕎麦屋に入り、その「おろし蕎麦」を注文した。

 手打ちの十割そば、そこにネギとかつお節が乗り、さらに、大根おろしがたっぷり入った汁をかける。

 汁が澄んでいるのは関西圏だからなのだろう。




 あっという間に一杯目を食べ終え、二杯目を注文する。

 越前のおろし蕎麦は小さめの深皿に盛られるのが習いで、量は少なめなのだ。

 二杯目のおろし蕎麦を食べ終えると、さすがに満腹である。

 名物のおろし蕎麦を堪能して、満足した。






      ◇   ◇   ◇






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 大野市を出て、福井インターから北陸自動車道に入った。

 車載のナビによれば、自宅には午後10時ころに着くらしい。

 一人の運転ゆえ、休み休み行っても、今日中には帰れるだろう。




 そこで、山代温泉に寄っていこうと思い立った。

 山代温泉といっても、温泉に入るわけではなく、この地の「須田菁華」という店が目的である。

 九谷焼の窯元で、わたしたち夫婦は、結婚して以来30年以上、ここの食器を愛用してきた。

 以前は東京にも支店があったのだけれど止めてしまい、山代温泉の本店に行きたかったのだ。




 目指す「須田菁華」の店は、山代温泉の街中に、ご覧の通りすてきな雰囲気で建っていた。

 店内は畳敷きで、客は靴を脱ぎ、ゆっくりと器と対することが出来る。

 精進落とし、ではないけれど、この日を忘れぬように、ここで器を買い求めることにした。






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 買い求めたのが写真上の湯呑3客である。

 カラフルなほう2客は夫婦で使うためのもの。

 「須田菁華」の器は、手描きで、デザインも緩いものが多い。

 上の湯呑も緩やかな絵付けで、そこが普段使いにはよかろう、と思う。




 一番右は、一緒に求めた染付の湯呑。

 わたしが使うためのものなのだけれど、これを見た妻がため息をついて、あーあ、という。

 ...なぜか?






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 実は同じ絵柄で、大小2種類の湯呑を使っているのである。

 写真上の、左と中が今まで使ってきたもの。

 そこに右の大きな一件が加わったのだ。




 3種類もあって...ねぇ、どーするの?...妻がそう言う。

 ...ねぇ、どーするんだろうねぇ。

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gillman

歳をとると、そうですねぇ。ぼくも先日同い年の仲の良かったいとこを亡くしなしました。以前にも増して一日一日の大切さを痛感しています。
by gillman (2019-07-15 18:23) 

めぎ

人生は終わりに向かっていくものですものね・・・
友人知人を失っていく寂しさ、お察しします。
美味しいお蕎麦屋コーヒーを楽しめる今、かけがえのない時間ですよね。
by めぎ (2019-07-15 18:35) 

Cedar

大野市には京福電鉄(今はえちぜん鉄道)があった頃に行き、一泊したことがあり、その宿が素敵でした。朝飯をご家族と一緒に台所で食べたり、お土産貰ったりという〜学生時代の楽しい思い出です。
by Cedar (2019-07-15 18:47) 

小肥り

福井県。大野市。バグパイプ。山代温泉……………
このブログを見て初めて知った名前ばかり。知りませんでした。
あの辺で知ってるといえば………乗り換えた駅「敦賀駅」「加賀温泉駅」
この年齢になるとあの世とこの世に同じぐらいの知己がいて。
しかたありませんね。ボクも終点が見えてきましたから。
by 小肥り (2019-07-15 20:15) 

song4u

ナツパパさま、こんばんは♪
何と申し上げれば良いのやら、なかなかピッタリ来る表現が思いつかないのですが、
ある意味しみじみと、またある意味ほのぼのと拝見いたしました。

ご友人のご急逝、誠に残念に思います。
ただ、わたくし思いますに、ご逝去の報に接することができたのは、まだまだ
幸いなのではないかという気がいたしました。
というのも、近頃は自分も含め、いつどうなってもおかしくないような年齢に
差し掛かっている割には、余程アンテナを張り巡らしておかないことには
そんな大切な情報でさえもどうかすると受け損なってしまう…
冗談ではなく、本当にそんな気がするからであります。

手打ちの十割そばが主役のおろし蕎麦、実に旨そうですね!
そばの香りが先だったのでしょうか、それともおろしの辛みだったのでしょうか。
いずれにせよ、日本人に生まれて良かった!と実感する瞬間だと思います。
そして、お湯呑の件!
同じ本を買い求めてしまう。同じCDを注文してしまう。同じ湯呑を…(笑)
分かるなあ。好きなもの、気に入った雰囲気のモノってどうしようもないですよね。
そんなこんなを通じて、改めて自分の嗜好性を再確認?!
…しなくたって、もう十分判ってるっちゅーの!^^;
by song4u (2019-07-15 20:41) 

YAP

寂しさ感じる訪問でしたね。
この夏、地元で中学時代の同窓会を予定しているのですが、消息を調べていると、私の年齢(と言ってもそこそこいってますが)でも既に逝去されている方がちらほらいます。
これからそういう知らせも増えていくのかな。
by YAP (2019-07-16 07:42) 

れもん

そうですね。いつの間にか何が起きても不思議ではない年齢になってしまうものですね。しみじみそう思いながら拝見しました。
それにしても人の好みは変わらない、手元に集まるのは同じ様な物がそろうというのはよくわかります。
by れもん (2019-07-16 10:51) 

北海道大好き人間

私も、2月に同級生の訃報に接しました。
年賀状をやりとりするだけの関係だったとは言え、ある年から年賀状が来なくなったのですが、それほど気にはしていませんでした。
私は大学へ行っていませんから全国各地に友達がいるというわけではありませんが、数少ない地元在住の者として、親はともかく、本人のこういう知らせは早すぎる気がします。

3つの湯飲みですが、大・中・小に分けてローテーションを組めばいいのではないでしょうか?

by 北海道大好き人間 (2019-07-16 10:56) 

Santa

なんだろうなぁ。
私もそろそろそういうことが…寂しいとか、楽しかった思い出とか
心の中を去来するいろいろな気持ちが…なんとも言いがたいものです。

長距離お疲れ様でした。

ご自身もどうぞご自愛ください。
by Santa (2019-07-16 11:38) 

アルマ

私もそろそろ同級生が・・・ていうこともあり得ますが、私が先に逝きそうな気がします(^_^;)

高山と大野、ウチからですと距離的には変わりませんが両方行こうとすると相当時間がかかりますよね、白鳥まで戻らないと(私の感覚では戻るです(^_^;))いけませんしね。

湯呑、好きなデザインを求めたら・・・ってことですね(^^♪


by アルマ (2019-07-16 11:45) 

TaekoLovesParis

「ちょうどいい、ここに入ろう」と入ったお店「バグパイプ」、なんかきいたことあるな、息子からきたのだった、で、<彼に聞いてみると>
LINEできいたんですね。速攻、返事がかえってきて、ウィンナコーヒーを頼む、、現代の旅ですね。
精進落としで、おそばを食べ、久谷焼きのお気に入り窯元の本店へ行き、
湯呑を買い、実りあるひとり旅でしたね。お友達の見送りのために行った甲斐があって、旅行記としても面白かったです。特に、大中小3つ揃ったオチが(笑)
by TaekoLovesParis (2019-07-16 22:00) 

みち

素敵な雰囲気の喫茶店ですね。
お湯呑みの大中小には、思わずにんまりしました。
ご友人の訃報は悲しいですね、、、
短大時代のサークル仲間で、LINEで『皆が元気なうちに集まろう』グループを
作ったもののまだ実行出来ていなく、、、
なつぱぱさんの記事を読んで、実行しなくっちゃ!と思いました。

by みち (2019-07-18 00:19) 

ナツパパ

gillmanさん。
あ、gillmanさんも親しい方をなくされたのでしたか。
わたしも、このところ、叔父叔母などの親戚、そして友人と知人と、
訃報がやってくるようになりました。
歳のせい、ともいえましょうか。
見送る者にとっては、年に数回もそういうことがあると応えるものですね。
おっしゃる通り、わたしも一日を過ごすことの大切さを感じております。
by ナツパパ (2019-07-20 09:42) 

ナツパパ

めぎさん。
おっしゃる通り、人生の終わりに向かって進んでいるのだなあ、と思います。
気持ちはいつまでも40代のつもりなのですがね(笑)
見送る気持ちがなかなか自分の中で整理できませんが、これもまた、
いずれ慣れていくのかもしれません。
今回の旅は、いろいろものを思う旅になりました。
by ナツパパ (2019-07-20 09:48) 

ナツパパ

Cedarさん。
友人が帰郷して、そこを訪ねたときは、たしかに電車で行ったのです。
福井からの車窓の風景もよかったことを覚えています。
今は途中の勝山までになってしまったのですね。
今回はあわただしい旅でしたが、大野にはもう一度、ゆっくりと行きたいなあ、
と思います。
by ナツパパ (2019-07-20 09:50) 

ナツパパ

小肥りさん。
91歳になった母が言うのですよ。
友達が生きているうちは、まだ一人じゃない、って。
そうなのかもしれないなあ、と思いましたねえ。
今回の旅は、いささか慌ただしいものになってしまいましたが、
わたしにとっては、却ってありがたかったです。
...ただ、運転中に、いろいろものを思うことがあり、そこは閉口しました。
by ナツパパ (2019-07-20 09:53) 

ナツパパ

song4yさん。
まったく仰る通りと思います。
友人知人とは、さほど頻繁に会えるわけでもないですし、情報も少ないです。
わたしも、高山市の友人については、本当にたまたま知ることが出来たのです。
いろいろなアンテナの精度を上げておかなければなりませんね。

今回の旅は、いわゆる観光はほとんどなしでした。
友人の葬儀が済んでも、たとえば金沢に寄ろう、とか考える余裕もなく、
ひたすら高速道を走って帰京しました。
その中で、「須田菁華」の店によることが出来たのは僥倖でした。
今では、どの湯呑も愛用中です。
by ナツパパ (2019-07-20 09:58) 

ナツパパ

スーおばさん さん。
ありささん。
johncomebackさん。
カメラde防犯さん。
あるいるさん。

nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2019-07-20 09:59) 

ナツパパ

hanamuraさん。
ぼんさん さん。
ハマコウさん。
gardenwalkerさん。
MORIHANAさん。

nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2019-07-20 10:01) 

ナツパパ

モリガメさん。
gopさん。
Edyさん。
向日葵さん。
wattanaさん。

nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2019-07-20 10:02) 

ナツパパ

YAPさん。
友人知人であっても、付き合いが少し遠くなってしまうと、情報が入り難く
なるものですよねえ。
わたしは地元の小中学校に通学していたのですが、それでも、当時の同級生の
訃報を知ることが出来ず、忸怩たる思いになりましたっけ。
元気で暮らしてるものと信じている友人が実は...と言うのは応えます。
by ナツパパ (2019-07-20 10:05) 

ナツパパ

れもんさん。
おっしゃる通り、なにが起きても不思議ではない年齢に、わたしもなったのだなあ、
という実感を、否応なく感じさせられましたっけ。
それでも、故人のお子さんたちが、皆しっかりと未亡人を支えている様子が、
なんとも心強く、ああ、代はこうやって継がれていくのだなあ、と思いました。
by ナツパパ (2019-07-20 10:08) 

ナツパパ

北海道大好き人間さん。
故人となった友人は、不慮の事故で命を落としたのではなく、闘病の末でした。
自分の仕事をやり終えて、さあこれから夫人や家族と、と決めていたでしょうに。
それを思うと無念の気持ちが湧きますが、見送るお子さんたちがしっかりとしていて、
それが救いでした。
by ナツパパ (2019-07-20 10:13) 

ナツパパ

Santaさん。
車で行ったのが良かったのか、どうか。
運転している最中も、いろいろな考えや思い出が沸き上がるのです。
往路のカーブの続く細い山道では、さすがにそういう余裕はありませんでしたが、
帰路の高速道路で、いろいろな思い出が出てきて参りました。
でも、きっとそれが、故人を偲ぶ時間となっていたのですよね。
by ナツパパ (2019-07-20 10:16) 

ナツパパ

アルマさん。
そうです、飛騨清見インターから白鳥インターまで高速を使いました。
この道があって本当に良かったです。
白鳥インターからは、ほぼ国道158号線を通っていきましたが、
晴れていれば景色の良いところだったと思います。
事前に想像していたより走りやすい道で助かりました。
by ナツパパ (2019-07-20 10:20) 

ナツパパ

はじドラさん。
ryo1216さん。
kiyokiyoさん。
ともちさん。
ffmlさん。

nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2019-07-20 10:21) 

ナツパパ

sugoimonoさん。
なかせさん。
harryさん。
yu-papaさん。
あおたけさん。

nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2019-07-20 10:23) 

ナツパパ

TaekoLovesParisさん。
そうなんです、ラインで聞いたら、珍しく、すぐに返事がきましたっけ。
米澤穂信さんの作品で「古典部」シリーズというものがあり(角川文庫)、
その中に登場する喫茶店のモデルなのだそうです。
帰京後に読んでみたのですが、1作目「氷菓」は名作と思いました。
もし機会がありましたら是非!

大中小の湯呑は、どれもしっかり使っていきたい、と思っております。
それぞれ使う場面が違う、と想定しているのですけれども、そこの棲み分けが
いま一つ定かではなく、ちょっと悩ましいところですねえ。
by ナツパパ (2019-07-20 10:30) 

ナツパパ

みちさん。
わたしも、大学時代の友人とは「今度会おう」というのが口癖なのです。
でも、なかなか実行できないのはなぜなのでしょうねえ。
時間がないわけじゃないのに...当人の気持ちなんでしょうね、きっと。
エイッと思いきってしまえば、愉しい時間となると思うのだけれど。
エイッとやってみようかな。
by ナツパパ (2019-07-20 10:35) 

ナツパパ

ちょんまげ侍金四郎さん。
caverunaさん。
ネオ・アッキーさん。
hideta-oさん。
kuwachanさん。

nice、ありがとうございます。
by ナツパパ (2019-07-20 10:36) 

Inatimy

出会いよりも別れの数が増えてくる・・・ちょうど私も先日そんなことを考えてました。
寂しさを感じるけれど、ちゃんとお別れができるのが一番ですね。
たくさんの思い出が宝物に。
by Inatimy (2019-07-21 23:56) 

じゅんぺい

ご友人を見送る旅。しっとりと始まりましたが、
甘いもの→お蕎麦(お代わりあり)→お湯呑→奥様の「あーあ。」
いつものナツパパさんで安心しました^^
我が家も相変わらず。大学生と高校三年生の母のはずなのに。
身体が大きいだけで中身は…(苦笑)
by じゅんぺい (2019-07-22 13:10) 

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